「見積は、どのように算出されいる?」塗り替え費用(見積価格)の算出方法についてご説明します。
見積金額の算出方法
見積算出ついてご説明するには、まず、工事にかかる費用「工事原価」についてご説明します。工事原価は「足場費用」+「塗装費用」+「諸経費」=工事原価となります。この工事原価に「利益(当社20%)」を乗せた金額が「見積金額」となります。
では「塗装費用」の算出方法をご説明します。
【塗装費用の算出方法】
- 【作業性】
作業性とは、何人工で塗装工事が終わるか算出することです。建物が作業しやすい、複雑ではない構造で、手間(人工)がかからない場合は㎡単価が安くなります。逆に狭くて作業しにくい、色分け等があり複雑な構造の場合は、手間(人工)がかかるので㎡単価が高くなります。
- 【工法】
工法とは塗装を仕上げを決めることです。通常は、既存模様を活かした3層塗膜工法(下塗り、中塗り、上塗り)で仕上げる方法が主流です。
モルタル外壁の場合、マスチック工法と呼ばれる下塗り材を厚く塗り「ユズ肌状」の模様を付け、ひび割れ・剥がれ個所を分からなくする工法もございます。また、工法には吹付工法、特殊ローラー工法など様々な工法があり、仕上模様の工法によって㎡単価が違います。 - 【塗膜の状況】
塗膜の状況が色褪せ程度の良い状態だと費用は塗装単価だけになります。塗膜の状況が悪いと、塗装の剥がれやひび割れがある場合は下地処理費、素材が腐食・破損がある場合は、交換工事等が必要になるので塗装単価に各費用が加算されますので㎡単価が高くなります。
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【材料費】
最も価格に影響するのが材料費です。材料費は工事費の3分の1を占めますので、高い材料を選ぶとその分高くなります。例えば、外壁塗装に4缶使用するとして1缶20,000円の塗料費は80,000円ですが、1缶5万円の材料は200,000円にもなります。
1~4の状況を踏まえて「塗装の㎡単価」が算出されます。ですから、同じような建物でも作業性・塗膜状況等により見積金額が違います。
また、諸経費は工事上の必要経費として、「養生費、廃棄処分費、運搬費、現場管理費(有料駐車場代等)、書類作成費」などが含まれます。
【サンプル・施工価格】
2階建て30坪の外壁・屋根塗装を2液溶剤型シリコン樹脂塗料での工事金額です。
足場費用 | 160,000円 |
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塗装費用 | 500,000円 |
諸経費 | 50,000円 |
工事原価(税抜) | 710,000円 |
利益(20%) | 142,000円 |
見積金額(税抜) | 852,000円 |
外壁工法よる価格の違い
外壁の種類によっても塗装価格は違います。
- 湿式工法
外壁をモルタル下地で塗り込み、仕上を吹付・左官仕上にする工法。
新築時にコストがかかってしまうが、改修時の下地処理は、ひび割れ・剥がれ補修程度で済むので塗り替え費用が安く済みます。 - 乾式工法
外壁をサイディング材で貼る工法。
新築時にローコストで建てられる分、改修時の下地処理は、目地、冊子回り等全てのシーリング材打ち替え費用(平均16万円~))が塗装工事の他にかかりますので、塗り替え費用が高くなります。
【下地処理の違い】
業者による見積価格の違い
A社、B社、C社の他社から見積を取ると「業者ごと、なぜ見積価格が違うの?」と思われますが、大きくは会社の形態と利益(中間マージン)に関係しております。
【業者形態による見積価格の違い】
会社を運営するには必ず利益を出さなければなりません。弊社のように直営店で営業所・営業社員がいない場合は、下記C社のように利益として工事費の20%頂ければ十分ですが...。
営業所・営業社員がいる直営店やリフォーム会社は、経営を存続させるために最低でも30%~50%の利益を上乗せする必要があります。また、大手ハウスメーカーになると50%~70%の利益を上乗せする業者もございます。
【業者形態による利益率の違い】
修繕費用の積立金
余談ですが、お客様から25坪の屋根・外壁塗装で92万円(税込)の見積書を提出したら「100万円近くするの?高いですねー」と言われたことがあります。
分譲マンションの管理費+修繕積立金は「月々15,000~20,000円」が平均相場です。これに対して戸建て住宅の場合、塗り替え費用が100万円場合は、「100万円÷120ヶ月(10年)=月々8,333円」になります。分譲マンションに比べると決して高い修繕費用ではないとお客様に説明したことがあります。毎月1万円積立するだけで10年後には「120万円の修繕費」が積み立てられます。
大切なお住まいを「10~12年守る」金額としては、決して高い金額ではないとお考え頂ければ幸いです。