「塗料ってどんな種類があるの?」塗り替え費用に関わる塗料の説明をします。
塗料の種類について
塗料は、顔料・樹脂・添加剤・溶媒の4つの成分で構成されています。
「顔料」はその名の通り色を決めるものです。「樹脂」は塗料の対候性や柔軟性、耐水性などの塗膜基本性能(耐久性)を決めるもので、塗料選びで大事なのが「樹脂」になります。「添加剤」は、塗料の性能を向上させるもので、遮熱、防カビ、艶消し等の機能を付加させます。「溶媒」は樹脂の溶解(希釈)に使用するもので、シンナー・水になります。
塗料選びの基準は「樹脂(耐久性)」となりますので下記にご紹介します。
【塗料の特徴・耐久性】
同樹脂塗料による価格の違い
錆止め塗料、下塗り塗料、仕上げ塗料にも「水性」「1液溶剤」「2液溶剤」の3種類の媒体があり価格も違います。
【媒体による価格の違い】
- 水性(主剤を水希釈で使用)
- 1液溶剤(主剤をシンナー希釈で使用)
- 2液溶剤(主剤・硬化剤を混ぜて使用)
同樹脂ランクでも材料の値段は、一般的に水性、1液溶剤、2液溶剤の順で値段が高くなります。水性と2液溶剤では1缶当たり1.5倍近く値段が高くなります。
近年では、2液水性や1液水性でも2液溶剤と同等以上の耐久性がある高額塗料も各社メーカーから販売されております。
弊社では新規(1回目)の塗り替え時には「2液型溶剤の塗料」を基準施工としております。密着力と耐久性が抜群に優れている材料だからです。2回目以降の塗り替え時でも旧塗膜を侵すこともありません。
シンナーの匂いが気になる、有機溶剤アレルギー等をお持ちの方は水性塗料をお勧めします。
【色による価格の違い】
弊社は見積時は常備色と呼ばれる一般色で見積りを算出しています。塗料の色は、白色、黒色、黄土色、赤錆、青・緑色、黄色、赤色の順に材料費が高価なります。その理由として、原色・濃い色ほど多くの顔料を使うためです。 原色や濃い色を希望される時は、見積時に相談するようにしましょう。
【艶有と艶消しの違い】
塗料の艶量には、8分(艶あり)、5分(半艶)、3分(艶消し)の3種類が一般的な材料に用意されており、材料の種類にもよりますが、艶有の塗料を艶消しにするには「艶消し添加剤」を入れて艶を消す必要があるので、艶消し塗料の方が若干高くなります。最初から艶消ししかない材料もありますので、見積時にご相談下さい。新築時の材料は艶消し材で塗られているので、最近では艶消しを好む方が多いです。
【弾性塗料とは】
塗料には、弾性塗料という種類の塗料もあります。弾性塗料の特徴は、塗料がゴムのように伸び縮みする柔らかな性質をもつ塗料で、伸縮性・弾力性・防水性が高いことが特徴です。通常塗料よりも料金が高くなりますが、ひび割れしやすいモルタル外壁の塗装に向いた塗料です。
鉄部は、夏場は伸び冬場は縮む性質があるので、塗料の割れ防止対策の為に、弊社ではこの特徴を利用して鉄部の塗装も弾性塗料で塗装しております。
材料の選定について
「長く持つから高い材料の方がいいですよ!と勧められたけど本当ですか...」と相談を頂いたことがあります。
「高い材料=長持ち」は正しくは正解ではありません。材料の寿命は長く持ちますが、震災でひび割れ等を起こしたら意味がありません。また、外壁・屋根の塗装は長く持ちますが、鉄部・木部、雨樋等は同じ塗料で塗装しても劣化進行が早いので、戸建て住宅の場合はお勧め致しません。
フッ素、無機の高い塗料は、頻繁に塗装出来ないマンション・ビルなどの大型建物で使用されるケースがほとんどです。
弊社の推奨塗料は「2液溶剤シリコン塗料」か「水性ラジカル制御シリコン塗料」です。価格も1缶25,000円程度で耐久性も10年~12年と比較的高額ではなく長持ちするからです。
塗料の選び方は、建物の立地条件に合わせた塗料を選びましょう。苔・藻など細菌類が付きやすい環境なら「ナノコントロール塗料」塗料の粒子がナノ単位なので細菌類が付着しにくい塗料です。また、近年の夏は気温上昇が高すぎるので「遮熱塗料」を選択するなど機能性で選ぶよう弊社ではお客様にご提案しております。