皆様が知りたい「業者の選び方」について説明をします。
適正な見積金額を取ること
まず、3社ほど下記のような会社形態が違う業者からお見積を取ることが肝心です。
適正な施工と正確な見積書を作成する会社なら、下記のよう見積価格になるはずです。下請け業者の見積価格に各社、会社利益を乗せた金額が「お見積書」として提出されます。
【適正な見積価格】
しかし、近年では塗装業者を名乗る営業所だけの業者が数多く増え、あたかも自社施工を装い、工事原価割れした安い金額で下請け塗装業者に施工させる業者が増えています。
この業界の怖い所は、塗装経験及び建築許可が無くても営業が出来てしまうことなのです。現状では弊社のように自社施工業者が出す見積金額より安い、営業社員だけの業者、リフォーム会社が多く存在して、価格競争を起こし下記のA社、B社のように工事原価割れを起こしている状態です。
【価格競争による見積価格】
上記のA社、B社のように、工事原価割れを起こしている業者に塗装工事を依頼すると、下請け会社はその価格の中で利益を出さなければならなくなるので、必然的に手抜き工事されるのが一目同然です。会社の形態や大きさに対して見積金額が適切であるか良く見比べてみることが大切です。
一括見積請求サイトはNG
数社から見積を取ることでしてはいけないことが「Webサイトの一括見積請求サイト」です。このサイトを利用して業者と契約すると、契約業者はサイト運営会社に工事費の20%近い中間マージン(紹介料)を支払わなければなりません。
その分、見積金額も高くなりますし、各社の見積金額も大差ない見積書が提出されるので、業者選びがより難しくなります。
また、見積請求サイトの運営会社も紹介業者とお客様が契約しないと利益が出ないので、お客様にしつこい営業がきます。
ご面倒ですが、ご自身でWebサイト等から塗装業者を探すことが重要です。
業者選びのポイント
お客様にとって業者選びの一番のポイントは「見積の安さ」だと思います。見積だけでは良い業者か分からない業者選びの為に、失敗しないポイントをいくつかご紹介致します。
- 見積金額の内訳が正確か確認する
見積書の内訳が㎡数ではなく、一式の概算で算出されていないか、使用する材料名・工法などは記載されているか、㎡数は正確であるか(業者ごと㎡数が違うことがありますが大差なければ問題ないです)をしっかりと判断しましょう。判断しずらい場合、なぜ「この価格になるのか?」業者に尋ねることも肝心です。見積書に塗料メーカーと材料名の記載があれば、材料の価格は、インターネットで簡単に調べられます。
- 見積通りの施工をするか確認する
見積金額で選ぶより見積通りの施工をするか判断することが一番大切です。「実際に塗装した物件(5年以上経過した)を見せて貰うこと」が重要だと思います。
- お得感を出す業者は選ばないようにする
極端に見積価格が安い業者。「足場代無料にします」「自社材料だから安い」など見積価格を簡単に下げる業者は選ばないこと。見積金額が適正でない可能性と工事後に「価格を下げたからそこは塗りません」などと言い逃れ、揉めるケースがあります。
※絶対にしてはいけいないこと!他業者に見積金額・見積書を教えること。他社が100万なら「80万で請負ます」と簡単に営業できてしまうからです。
- 見積金額を下げたい時の反応を見る
上記のように簡単に見積金額を下げる業者は問題外ですが、ちゃんと話を聞いて塗料の変更や工法を変えて細かく見積の算出してくれるかなどで適正な会社か判断することが出来ます。
- 見積金額の安さだけで選ばない
弊社では塗装工事は「施工品質の良さ=工事金額」と考えております。高品質な施工の対価として「この金額になります」という見積書を作成しております。
業者を選ぶ決め手は金額だと思いますが、金額の安さを全面に営業する業者には気を付けましょう。安い価格から利益を出すことしか考えてない業者なので、低品質な施工で騙されてしまいます。
- 元請け業者を選ぶときの注意点
実際に工事するのは下請け業者の職人達です。ご契約前に「工事担当の業者を教えて貰えるか、担当業者と会わせて貰えるか」確認してみましょう。弊社の取引先のハウスメーカー、リフォーム会社は必ず「野呂塗装店」という塗装業者です。と施主様にご紹介して下さいます。
リフォーム会社に110万円で依頼したら、実際に塗装工事に来たのは「3人の中国人で、工事も4日で終わり」と悲しい話を聞いたことがあります。
- 「外壁まるごとパック」を謳う業者
「外壁まるごとパック」などを謳う業者にも気を付けましょう。見積もせず「外壁まるごと80万円です」って契約できたら業者としては、こんな簡単な営業はありません。1件1件建物形状も違えば塗膜の状況も違いますから...。
また「外壁50万円パックで契約したら、そこは入ってないから、塗装するなら追加料金になります」と言われ、結果、他の塗装業者の見積よりも高い金額を請求されたなど、追加高額請求する業者も存在します。
失敗したか分からないのが問題
塗装工事の問題点は、直ぐに失敗したのか「分からない」のが問題なのです。
塗装業者がきちんと見積書通りに施工していれば問題ないのですが、塗装した当初は「安くて綺麗になったから問題ない」と喜んでいると、2・3年程度から塗装が色褪せしてきた、塗りムラが目立つ、塗装が剥がれてきたなど、塗装業者と揉めるケースがあると良く耳にします。
保証があっても「私達のせいじゃない、立地条件が悪い」などと言い逃れさせてしまうと相談された事があります。
塗り替え工事における本当に怖いのが「2回目の塗り替え」です。
脆弱塗膜と呼ばれ、2回目の塗り替え時に1回目の塗装を侵してしまう(塗膜の密着力が弱く、新たに塗装する塗料の結合力に負け、塗装がシワシワに浮いて剥がれてくる)現象が起きることです。
この要因は、1回目の塗装業者が材料を希釈しすぎ(塗料を伸ばしすぎ)て塗装している、湿気があるときに塗装した、下地処理をちゃんとしていないなどの手抜き工事が要因です。
脆弱塗膜は本当に問題で、この状態で塗装しても直ぐに剥がれてしまうからです。脆弱塗膜の上から塗装することはできません。塗装全部を剥離工事するかカチオン系セメント材で全て固めてしまうなどの下地処理の費用、雨樋など交換できる場所は交換、破風板、屋根はカバー工法など対処する必要があるので、2回目の塗り替え時に膨大な負担となってお客様に返ってきます。
【屋根プライマー塗布後・脆弱塗膜】
【外壁プライマー塗布後・脆弱塗膜】
業者の選び方は慎重に...
「失敗しない塗り替えの工事の為に...」私達の知り得る知識をご紹介しました。
私達が言いたいことは、塗装業者は何処も一緒と思ってほしくはありません。実際に安くて丁寧な塗装業者も沢山おりますし、健全なリフォーム業者、ハウスメーカーもございます。
見積価格が一番安いからと決めてしまうと後々、色々な問題が起きる可能性が高いことだけはお伝えしたいと思います。見積価格に見合った工事をする業者を見極めることは、大変難しいことですが、「豆知識」が少しでもお役に立てたら幸いです。