塗装業界にはびこる「悪質業者に騙されないよう」手口と対処法をご紹介します。
近年増加する悪徳業者の被害
国民生活センターに寄せられるリフォーム業者(屋根工事、塗装工事、増改築工事、内装工事)に関する被害の相談件数は何と12,000件以上です(詳しくは国民生活センター・訪問販売によるリフォーム工事・点検商法)。
営業社員の「訪問・電話」営業に限らず、チラシ広告、Webサイト等からお客様が見積依頼した業者が悪徳業者の可能性もあるので気を付けましょう。騙されない為にはまず「即決しない」「会社の評判を調べる」など時間をかけて検討し工事依頼することが大切です。
訪問営業の全てのケースが悪徳業者ではないので、真面目に訪問・チラシ営業をしている優良な塗装業者にしてみれば、本当に腹の立つ営業妨害で許せない行為です。皆様が騙されないよう「悪徳業者の手口」をご紹介します。
1.お得感を出す手口
すぐに「契約」すれば工事価格を値引する特典があるなど、お得感を装い工事契約をさせる「工事商法」です。
安い金額を提示して契約させ、「外壁だけだから」と理由をついて、他は部位は追加料金です。また、交換工事が必要だからと追加工事ばっかり行われ、最終的に高額な金額を請求する被害が訴えられています。「ありえない大幅な値引をする」、「お得感があるように契約を迫る」業者には気を付けた方が良いでしょう。
下記の話をしてきたら注意しましょう。
- 「実績作り」の為に大幅なお値引します。または半額で請負ますよ。
- 「モニター」を募集中で大幅なお値引します。または半額で請負ますよ。
- 「キャンペーン中」で大幅なお値引します。または半額で請負ますよ。
- 「オリジナル塗料」を使っているので他社よりもお安く出来ます。
- 「メーカーと提携している」ので、材料が安く入荷出来ますよ。
- 「近所で工事している」ので、その足場を使えば足場代はサービスします。
- 「本日中に契約して頂ける」なら、半額に割引します。
- 「大手ハウスメーカー」を名乗り、無料点検に来ました。
- 「限定3戸のキャンペーン中」で総額○○円で請負ますよ。
- 「他社の見積書を見せて下さい」と訪問し、うちなら同じ施工内容でもっと安く請負ますよ。
- 「助成金・補助金」の手続きは私達がするので、お安く出来ます。
2.不安を仰ぐ手口
訪問して「無料点検させて下さい。」と営業する手口で、無料ならと軽い気持ちで点検を了承してしまうと、営業マンに隙を見せたも同然です。
屋根に登って瓦をワザと割ったり、雨樋などを壊したり、「ここが壊れてるから修理するべきです、今すぐ工事しないと家が壊れますよ」と不安を仰ぎ工事の契約させる「点検商法」の手口です。契約当初よりも工事後に高額な金額を請求される被害が訴えられています。
下記の話をしてきたら注意しましょう。
- 今すぐ塗装工事しないと家が壊れますよ。
- 瓦が割れているので雨漏りを起こしますよ。
- ○○個所が壊れているのでお安く修理しますよ。
3.現金をだまし取る手口
塗装工事及びリフォーム工事を一切せず、お金だけをだまし取る「詐欺商法」の手口です。
屋根の瓦が割れているから、応急処置としてブルーシートを掛るだけで現金の先払いを要求する手口です。また、塗装工事でも前金を要求して現金だけをだまし取られたケースもあるようです。この手口の場合、足が付きにくい前金支払が基本なので、先に現金の支払いをお願いされたら怪しいと思いましょう。
下記の話をしてきたら注意しましょう。
- うちは前金制なので工事前に工事代金をお願いします。
- 足場業者に前金を支払う必要があるので、足場代だけでも先払いでお願いします。
- 大盛況で工事は3ヶ月後になりますがお安くするので、契約金の半分だけでも先払いでお願いします。
- 安くするために、材料を確保しなければならないので、材料代だけでもお支払いお願いします。
4.助成金・補助金による手口
塗装工事だけで助成金・補助金が出る自治体(区・市役所)はまずありません。殆どの場合は、耐震リフォームと合わせて塗装工事することで助成金が出ます。上限金額も30万円ほどが上限で、申請期間や予算金額の上限に達すると受付終了してしまいます。また、助成金・補助金の申請は、お客様ご自身が各自始体に申請する必要があります。業者が代行で手続きすることは出来ません。
知識のないお客様に、この助成金・補助金制度を代行手続きしますと謳い、あたかも利用したように見せかけて、工事金額を30~50万円の大幅値引して営業する業者が増えていると報告されています。このような「嘘でお客様を騙す営業」をする業者が、まともな塗装工事をする訳がないので気を付けましょう。